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秋深し 麻酔はなにを するものぞ(-_-)

2025.10.25

皆さん、こんにちは。先日、テレビの教養番組を観ていると、痛みの伝達について解説されていました。

番組内では、痛みの伝達は電気と化学物質によっておこなわれていると解説されていて、伝達のイメージを面白く表現していました(^_^)

さて、痛みの伝達について私なりにお話ししますと、痛みの刺激を皮膚などの末端のセンサーが受信すると、電気信号として神経を通して身体の中心(まずは脊髄)へ向けて送られます。そこで初めの神経は終点となりますが、終点で電気信号は化学物質に変換されて神経の外へ放出、すぐ隣の次の神経が化学物質を受け取り、再び電気信号として脳へ送られます。脳のなかでも前述の電気と化学物質のやりとりをおこない、最終的に脳内の痛みを感じる部位に信号が送られます。

お口に関する感覚である歯の痛みや味覚なども細かい経路は異なりますが、イメージとしては概ね同じように伝達されています。

歯の痛みの原因はむし歯によるものや歯が大きく欠けたり割れてしまったことによるものや噛み合わせの負担など様々な原因が考えられます。痛みの原因によって痛みの刺激を受信している部位は異なりますが、前述の通り概ね同じように痛みは伝達されます。

痛みを取り除くためには往々にして治療が必要になりますが、元々痛みがある箇所を治療するので治療にも痛みを伴ってしまいます。

そこで治療の前に麻酔をしています。いわゆる歯医者の麻酔は全身麻酔とは異なり、歯のまわり、お口まわりに作用する局所麻酔になります。

歯の神経は基本的に歯の根の先から歯のなかに出入りしています。そして、歯の根は歯の骨のなかに埋まっているので直接歯の神経に麻酔を作用させることは困難です。そこで、一般的な歯医者の麻酔は治療する歯の歯ぐきに麻酔薬を注入しています。歯ぐきに注入した麻酔薬は歯の骨のなかを浸透していって治療する歯に到達します。

歯医者の麻酔薬は神経の電気信号の伝達を遮断する(阻害、邪魔する)作用があります。痛みのある箇所の近くの神経に作用するため局所麻酔を使用しています。

しかし、歯医者の麻酔にも注意が必要です。

治療する歯の歯ぐきに麻酔薬を注入するので、まわりの唇や頬にまで麻酔が効いて、麻酔がきれる前にお食事をすると間違って唇などを噛んでしまうことがあります。

また、麻酔薬のアレルギーなどの副反応も報告されています。過去に歯医者の麻酔でご気分が悪くなった、高血圧の治療をされているなど全身のご健康につきましても治療前にお教えくださいますよう、お願いいたします。

痛みは体の不調や身の危険に対するサインともいいますので、歯の痛みは放置せず歯医者の受診をお勧めいたしますm(_ _)m

鹿児島市中央町 医療法人篤志会 さこだ歯科
歯科医師 児玉

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児玉 和剛 寿洋会四元歯科 歯科医師
鹿児島大学歯学部卒業 鹿児島大学臨床研修医 2016年10月医療法人さこだ歯科臨床研修医 2017年4月医療法人さこだ歯科入社 2019年8月医療法人寿洋会四元歯科入社
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